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2023-24シーズン始動から1ヶ月を終えて

いつも横浜エクセレンスを応援いただき、ありがとうございます。
先日開催された、B.LEAGUEによる「将来構想に関する発表会見」(※外部リンクとなります)を受けて、横浜エクセレンスとして今後目指すべき方向性である「2026年のB.LEAGUE ONEへの参入」。

その目標を達成するためにも欠かせない「
2023-24シーズンでのB2昇格」へ向けて、新たに9名の新加入選手を迎え(※外国籍選手3名は8/1現在では未合流)、始動した今シーズンもあっという間に初月である7月を終えました。

そこで改めて石田剛規ゼネラルマネージャーより今シーズンに向けてブースターの皆様へ意気込みやコメントをいただきましたので、ぜひご一読ください。

今シーズンも引き続き熱い熱い応援を何卒よろしくお願いいたします!

 

横浜エクセレンス 2023-24シーズンロスター


写真提供:©︎BRONCOS20CO.,LTD / ©︎京都ハンナリーズ / ©︎IWATE BIGBULLS / ©︎KUMAMOTO VOLTERS / ©︎RIZING ZEPHYR FUKUOKA / ©︎KAGOSHIMA REBNISE / ©︎ShonanUBC

ロスター詳細は こちら をご覧ください。

 

石田剛規 GMコメント

まず初めに今シーズンの目標は「B2昇格」となります。この目標はB3全てのクラブが切望していることであり、簡単なことではありません。
その上で、掲げた目標をどれだけ現実的なものにするかと同時に、横浜エクセレンスがこれからの未来、どのようなクラブに成長をしていくのかを想像しながら、今シーズンの編成を考えました。

応援・支援をしてくださる方々と目標達成に向けたビジョンを共有することで、今シーズンのエクセレンスの魅力を深く理解していただき、応援していただけるクラブになれたらと思います。長い文章にはなりますが、ぜひお付き合いください。

まず過去を振り返りますと昨シーズン、横浜エクセレンスは「B3リーグ レギュラーシーズン 2022-23」5位。最終的には「3位」とB2昇格に一歩届かない、悔しい結果となりました。
今シーズンも昨シーズン同様にB2昇格には「B3 PLAY OFFS FINAL 2023-24」進出が必要で、その為の一番の近道は「B3リーグ レギュラーシーズン 2023-24」を1位、または2位で終えることです。それでは1位、または2位で終えるためには何勝をすれば良いのでしょうか。


(資料1)「B3リーグ 2022-23シーズン レギュラーシーズン」上位5クラブの成績

 
クラブ 勝率 得点 失点
岩手 45 7 0.865 84 65
埼玉 43 9 0.827 90 79
静岡 41 11 0.788 82 70
鹿児島 41 11 0.788 86 74
横浜EX 40 12 0.769 91 82

上記より、昨シーズンの実績で言えば上位2クラブに入るためには43勝が必要となり、勝率としては8割以上となります。その数字を成し遂げるためには、当たり前ですが勝ち続けることが必要です。一方で、負けと向き合うことも非常に大切です。


(資料2)「B3リーグ 2022-23シーズン レギュラーシーズン」横浜エクセレンス対戦成績

 
対戦 勝率 得点 失点 得失点差
岡山 0 2 .000 155 184 -29
埼玉 1 3 .250 330 360 -30
岩手 1 3 .250 320 367 -47
静岡 2 2 .500 350 342 8
鹿児島 2 2 .500 355 372 -17
湘南 4 0 1.000 391 291 100
金沢 4 0 1.000 378 301 77
品川 4 0 1.000 364 299 65
岐阜 4 0 1.000 383 329 54
山口 4 0 1.000 400 322 78
立川 2 0 1.000 156 122 34
八王子 4 0 1.000 392 329 63
豊田合成 4 0 1.000 369 342 27
東京U 2 0 1.000 183 149 34
三重 2 0 1.000 218 184 34

※2022-23シーズンの試合結果一覧は こちら

昨シーズン横浜エクセレンスは12敗を喫しました。
対岩手(1位)が3敗
対埼玉(2位)が3敗
対静岡(3位)が2敗
対鹿児島(4位)が2敗

横浜エクセレンスよりも上位のクラブへ対し10敗(合計12敗)

対岡山(7位)が2敗
主力に怪我人が出た試合においては連敗をする結果となりました。

また資料1より、上位5クラブには平均得点と平均失点に特徴があることも確認できます。
岩手・静岡がディフェンシブなクラブ(平均失点70点以下)で、埼玉・横浜EXがオフェンシブなクラブ(平均得点が90点以上)であるといえます。結果的には岩手・静岡がB2への昇格を果たしました。
この資料と、上位クラブとの対戦の映像を分析した結果、注目をした点は3つあります。


 

①OFEが機能した試合では勝利をつかめているが、良さが消された試合では負けている傾向がある


また資料2より
横浜より上位のクラブに対しては平均80~88得点。横浜の平均得点91を下回る。
横浜より上位のクラブに対しては平均85~93失点。横浜の平均失点82を上回る。

「OFEがベースとなるクラブであった」


 

②接戦時に相手へポゼッションを与え勝利を逃している傾向がある


(資料3)上位5クラブのスタッツ比較(OFE REB / DEF REB / STL / TO / BLOCK)

 
対戦 O REB D REB STL TO BLK
岩手 14.7(1) 26.8(8) 9.0(3) 11.9(3) 2.5(7)
埼玉 14.3(2) 29.5(2) 7.6(8) 11.7(2) 3.0(2)
静岡 10.5(10) 28.4(5) 8.3(4) 12.1(4) 2.7(5)
鹿児島 12.3(5) 27.2(7) 9.5(2) 14.6(12) 3.9(1)
横浜EX 10.4(11) 30.6(1) 6.9(10) 13.8(7) 2.3(10)

※()内の数字は「B3リーグ レギュラーシーズン 2022-23」内でのランキング

資料3から昨シーズン「B3リーグ レギュラーシーズン 2022-23」上位クラブは平均オフェンスリバウンド数と平均スティール数において、ランキング上位の数字を残しています。
オフェンスリバウンドに関しては、横浜エクセレンスのFG%は48.9%とランキング1位であり、効果的にシュートを決めていることからオフェンスリバウンドのチャンスが少ないことも考えられます。しかし、DEFリバウンド数がランキング1位でありながら、相手のオフェンスリバウンドの多さで試合を落とす傾向もありました。

横浜エクセレンスはスティールが多いわけではなく、相手のポイント・要所を抑え、タフなシュートを打たせる。つまりシュート成功率を下げさせ、DEFリバウンドをコントロールするディフェンススタイルでした。しかし、OFEリバウンドが強い相手にはDEFリバウンドをコントロールしきれない傾向がありました。また、スティールが多いクラブに対してはターンオーバーも増え、試合の流れを失う傾向も見受けられました。

「STL/TO と O REBが勝敗に与える影響が大きい」


 

③主力がケガで抜けた状況からの立て直しに時間がかかり連敗をしている


岡山戦にて主力選手が負傷。その後の立川戦は持ち堪えたものの、鹿児島戦で連敗。岩手戦に主力が復帰するもコンディションが戻らずに4連敗。短期間で6敗(その間2勝)を喫することとなりました。

昨シーズンの外国籍選手による合計平均得点は55~60ptsと、65%以上を外国籍選手が得点するバランスとなっていました。
彼らの健康状態が大きく勝敗に影響を与えることとなり、個にかかる責任も多くなります。
日本人選手含め、一部の主力選手への負担と責任が大きくなると、その選手の健康状態、対策、または調子の良し悪しが勝敗に大きな影響力を与えることになります。これは特にオフェンシブなクラブにおいてはより顕著になります。

「1人の怪我、個のパフォーマンスの良し悪しが大きく影響してしまうチームであった」

 

上記①②③を踏まえ、年々レベルのあがる「B3リーグ」においてどのようなクラブになれば、どのような成長をすれば「B2昇格」を成し遂げられるのかを考えました。

ポイントはいくつかありますが、今シーズンの目指すべき姿・ビジョンを3つに絞り共有できればと思います。

 
①激しいDEFをベースにした強度の高いバスケットボール
②ポゼッションの確保、優位性を確保するなど細部への追求ができるクラブ
③ロスター全員が重要なピースとなり、シーズンを戦い抜けるクラブ


 

①激しいDEFをベースにした強度の高いバスケットボール

これまでのエクセレンスのDEFから2~3段、強度を上げたアグレッシブなDEFを軸にするクラブになります。
昨シーズンの平均スティール数においては10位と平均以下の数字でしたが、この数字を大きく伸ばしていくことを目指します。スティールはそのまま簡単な得点につながることの多い特徴があります。相手のポゼッションを奪うだけでなく、得点も伸びる効果的な指標です。さらに強度の高いDEFを続けることで相手にコントロールをさせないという利点も加わります。

②ポゼッションなど、勝利を掴むために必要な細部への追求ができるクラブ

スティールだけでなくリバウンドの支配率を上げることも目指します。
相手にセカンドチャンスを与えないディフェンスリバウンドだけでなく、そのまま簡単な得点につながることが多いオフェンスリバウンドも効果的です。コートに出る選手が身体を張り、戦い続けることでリバウンド、スティールの数字は変わっていきます。40分間誰が出ても、細部への追求を体現したバスケットボールを表現します。

③ロスター全員が重要なピースとなり、シーズンを戦い抜けるクラブ

上記のバスケットボールを1人で表現することは不可能です。そして40分間を少ないローテーションで戦うことも不可能です。
14名全員がシーズンを通して支え合い、それぞれの良さを引き出し、自分の役割に徹することで表現できるバスケットボールです。誰か1人の責任ではなく、クラブで戦う文化を浸透させることで、B3リーグ内において一番タフで、負けないクラブになります。

上記のビジョンを実現するために必要なことの第一歩にHCの選出があります。候補として実績のあるコーチの方々にお話を伺う機会をいただきました。最終的にクラブの決定としてはジョゼップ・クラロス・カナルス(愛称:ペップ)へこのプロジェクトを託すことになりました。現在のクラブ状況を考慮し、彼の持つバスケットボール哲学と、横浜エクセレンスとの融合で起きる化学反応がとても魅力的でワクワクするものであり、目標達成のみならず、未来の大きな一歩になることを見据えての人選となりました。

秋田ノーザンハピネッツ、ライジングゼファーフクオカで彼が残してくれた実績をご存知の方も多いかと思いますが、選手の可能性を広げ、パフォーマンスの強度をあげ、「戦う集団」にクラブを成長させてくれるコーチです。その熱意・パッションがクラブ全体、そして応援・支援をしてくださる方々にも広がっていくことを楽しみにしています。

ペップとの契約が決まってから、膨大な量の選手と試合を確認して協議を重ね、ロスター編成を進めてきました。全選手14名、GMとして心から信頼と期待をしている選手たちです。全てをお伝えすることはできませんが、今季の編成の意図、選手に期待する役割をお伝えし、皆様に選手とクラブの魅力をより強く感じてもらえたらと思います。



まず昨シーズンより継続の俊野達彦西山達哉増子匠の3名に対しては、GM・HC共に高い評価と、厚い信頼を置いています。
B1・B2で得た経験、そしてB3で昨季経験した悔しさが、彼らの今季の原動力になっています。また彼らはペップが共に戦いたいと、過去の日本でのコーチ時代にチェックをしていた選手達でもありました。

俊野達彦は「ビッグサイズのPG」と「得点をとりにいくSG」、2つのポジションを担うことができるプレーの幅の広さが魅力的で、その強みを新しいスタイルのなかで表現してくれるでしょう。

西山達哉の正確無比な3Pシュートと高いハンドリングからのゲームコントロールは、多くの勝利を横浜エクセレンスに手繰りよせるはずです。

増子匠の鋭いドライブと得点への嗅覚そして勝負強いアウトサイドシュートは今シーズンも相手の頭を悩ませるでしょう。
皆OFEだけでなく、DEFでもシステムを理解し、献身的に身体を張れる選手たちです。



エクセレンス生え抜きとなる田口暖古河ウェスリーに関しては無限大ともいえる可能性をGMとして感じています。

田口暖のDEFはペップのシステムに100%フィットするでしょうし、古河ウェスリーの高いアジリティと身体能力はペップの元で開花するものと感じています。

田口暖はポイントの確率も格段にあがり、ゲームコントロールの能力も開花してきています。
古河ウェスリーは年々身体が強くなり、走って跳べて守れる、誰よりも身体を張れる選手としてコートに立つ機会も増えるでしょう。



新規獲得選手は谷口淳今川友哲菅俊男平良彰吾がペップからの指導経験をもっています。HCと共に9名が新規として加わる今シーズン、チームづくりのスピードを上げる役割も担っています。

谷口淳は昨シーズン岩手でもDEFのスペシャリストとしての活躍のみならず、勝負所で幾度も3Pシュートを沈めてきました。味方を鼓舞する姿も印象的で、「戦う集団」に横浜エクセレンスを引き上げてくれるはずです。

菅俊男はDEFにおける高い評価のみならず、その視野の広さとパスのうまさからPGもこなすことができます。フィジカルを活かしたドライブも効果的で攻守にわたる活躍を期待しています。

今川友哲は外国籍選手相手にも守りぬける強靭な肉体を持ち、身体を張ってゴール下を守ってくれることでしょう。スクリーンの精度も高く、トップレベルの日本人PFとしての存在感を発揮してくれるはずです。

平良彰吾はスピードにおいては田口暖と同レベルのものを持っており、フィジカルの強さも兼ね備えています。ボールハンドリング能力と得点能力も高く、流れを変える起爆剤としての役割も担うことになります。



京都から加入をした小澤智将は、このオフにペップが高い関心を持っていた選手です。オールラウンダーとしての存在感と、外国籍選手にもマッチアップできるディフェンス能力は、間違いなくペップのスタイルに合致するでしょうし、さらなる才能の開花につながるはずです。

帰化選手としてのソウ シェリフの加入も大きなポイントです。コート上では誰よりも早く走り、俊敏性に優れたフットワークと、高い身体能力も兼ね備えた選手です。彼のおかげで組むことができるラインナップが多彩になり、サイズを活かしたビッグラインナップ、機動力を活かしたスモールラインナップも可能となります。



外国籍選手のグラント・シットン類い稀な3Pシュートの能力を持つ選手で、コートを広げる役割を担うとともに、幅広い得点方法を持つ選手でもあります。相手はその対策に手を焼くことになるでしょうし、それが味方を活かすという好循環も生まれるはずです。

外国籍選手のクラヴス・チャバルスは、強靭な肉体と高いバスケIQでペイントエリアを支配する存在になり、日本のバスケットボールに高いインパクトを残すでしょうし、ババトゥンデ・オルムイワは、その高い身体能力で、B3の制空権の支配をする存在となります。二人の経験豊かなビッグマンはリバウンド支配率もあげる役割を担い、それが試合に安定感をもたらします。オフェンスにおいても献身的なパフォーマンスに定評がありチーム全員が機能する理想的なバランスが構築されていきます。

またそれぞれが複数のポジションを守れることもポイントとなっています。前述したビジョンを表現する上では、DEFができることは必要不可欠です。その上で、ファールトラブルや選手負傷など想定外のラインナップで戦わざるを得ない状況、またはディフェンスのローテーションの中でミスマッチが起きた状況でも、DEFが崩れない、強度を落とさないことも必要となります。自分のポジション以外でも複数のポジションを守れる選手が多いことで、このビジョンはより現実的かつ精度の高いものになっていきます。

2023-24シーズンのロスター編成は上記のような過程を経て、目標達成の為に、そして目指すべき姿・ビジョンを踏まえた上で決めていきました。応援・支援をしてくださる方々には、編成の意図、クラブが目指す姿をより深く理解してもらい、今シーズンを楽しんでいただけたらと思います。



そして応援・支援をしてくださる方々を含めクラブに関わる全員が大切なピースであることを改めて強調したいと考えています。

目標達成、そしてビジョンを実現することと。そしてそれを共有することで、もう1つ成し遂げたいことがあります。それがこのクラブに「カルチャー」を作ることです。この先の未来も強く、魅力的なクラブになるためには一過性の目標達成や補強ではなく、長い目で見たクラブカルチャーの構築が必要となります。

既存の人材、環境を理解し、現状の分析を踏まえ、未来のビジョンを共有し、目標を達成し、そしてカルチャーを根付かせることが今シーズンの最終的なゴールだと考えています。発表があった14名とそれを支えるスタッフ陣でそれを成し遂げます。そして応援・支援をしてくださる方々も、共に戦い、共に歩んでいただければと思います。

2023-24シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。

 
ゼネラルマネージャー 石田剛規
 

 

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